2023年夏にヨーロッパを車で旅行しました。
その時に不勉強のためオーストリアの高速で料金未払いで罰金を徴収されることになったのです。
同じような目に遭う旅行者が減るように、この時の体験談とオーストリアの高速料金についてを解説します。
オーストリアの高速で罰金€120を徴収される
日本と違い複数の国の国境が接するヨーロッパ、もちろん道路・高速道路は繋がっていてスムーズに移動できます。
しかし、道路は1つに繋がっていても各国の料金システムは統一されていません。
我々の場合、目的地ドイツを目指して走っていたところ誤ってオーストリアの高速に入ってしまいました。
高速の入口にゲートがないので不思議に思い、国境すぐのガソリンスタンドに駐車しました。
そして、スマホで料金の支払いについて調べたところチケット(定期券のようなもの)を購入しないといけないことが判明したのです。
急いでガソリンスタンドでチケット(シール状のもの)を購入し指定の場所に貼付しました。
その日は何事もなかったのですが、後日自宅へ帰る際にオーストリアの高速道路を再び通過したところ、オーストリアの高速を管理するASFINAGのバンに停められました。
そこで、「先日オーストリア高速を走った分の料金が支払われいない」といったことを指摘されたのです。
一応間違えてオーストリアの高速に乗ってしまったこと、すぐに(国境を越えてほんの数分後)最寄りのガソリンスタンドでチケットを購入した旨を説明しました。
しかし、ルール上チケットを貼付せずに走行する様子が高速のカメラに映ったらアウトということのようで、罰金€120を徴収されたのです。
オーストリアの高速は、乗る前にチケットを入手しなければなりません。
間違えて侵入し、数分走っただけでもカメラに映ると罰金がとられます。
オーストリアをドライブするときは、高速に乗る予定がなければ誤って侵入することのないように十分注意してください。
また、高速道路を利用する予定の方は必ず事前に支払いを済ませておきましょう。
オーストリア高速道路料金の支払い方
オーストリアの高速道路はVignette(ヴィニェッテ)というチケットを購入して料金を納めるシステムです。
Vignetteの種類
Vignetteには運転する車の種類と期間によって以下の2種類があります。
これだけの料金で特定の期間高速道路に乗り放題と考えればかなり良心的な価格設定です。
乗用車(3.5トン以下) | オートバイ | |
10日間 | €9.60 | €5.60 |
2か月間 | €28.20 | €14.10 |
1年間 | €93.80 | €37.20 |
Vignetteの入手法
Vignetteにはデジタルのものとステッカータイプの2種類があります。
それぞれの入手法は以下の通りです。
ステッカータイプの場合
ステッカータイプは以下のような販売箇所で入手できます。
店員さんに車ORバイクと期間を伝えるだけで簡単に購入可能です。
以下のような店で販売されています。
- 郵便局
- Tobacconists(タバコ屋)
- 新聞販売店
- 国内外の自動車クラブ事務所(ÖAMTC, ARBÖ, ADAC)
- ガソリンスタンド(隣国の国境付近でも販売されているケースが多いです)
購入後はフロントガラスに貼りつけ
購入後はステッカーを設置するのをお忘れなく。
場所は自動車の場合フロントガラスの中央上部もしくは左上が推奨されています。
窓ガラスの色付き部分には設置しないようにという注意点も忘れないようにしたいですね。
ステッカーの後ろにもイラスト入りで設置位置が説明されているので、それを参考に間違いなく貼付しましょう。
デジタル版の場合
デジタル版はオンラインか販売店での購入が可能です。
オンラインで購入
デジタル版は英語だとDigital Toll Stickerと呼ばれ、オンラインか指定の販売店で購入できます。
オンラインで購入したい場合はASFINAGのオンラインストアかASFINAGのアプリをダウンロードしての購入となります。
この際注意したいのが、ネット購入の場合すぐにVignetteが有効にならないということ。
有効化には少なくとも18日間はかかるのでかなり余裕をもって準備しておかなくてはなりません。
また、購入の際にはナンバープレートや所有者の情報を入力する必要があります。
そのため現地でレンタカーを借りて運転するという方にはオンライン購入は難しいのが現状です。
販売店で購入
デジタル版を実店舗や自動販売機で購入する方法もあります。
この場合オンライン購入と違い即有効なので利用しやすいでしょう。
主に以下のような店で購入可能です。
- 自動車クラブ事務所( ÖAMTC・ARBÖ ・ADAC)
- ガソリンスタンド
- Tobacconists(タバコ屋)
- ASIFINAG支払いステーション
- サービスエリア設置の自動販売機
Vignetteを買わないとどうなる
Vignetteによる料金支払いを行わなかった場合は罰金・行政処分の対象になります。
罰金は車の場合€120、バイクの場合€65です。
すぐに支払わなかった場合さらに高額の罰金を課されるようなので注意して下さい。
ちなみに我々のように道路で停められてその場で支払う場合、カードか現金での支払いができます。
現金で支払う人が少ないのか、あまりおつりは用意していないようでした。
後払いはできるのか
後払いは出来ないと考えていいでしょう。
我々の経験では、誤って侵入した直後にVignetteを購入したと説明ても「カメラにVignetteなしで走行しているのが写っているからアウト」といわれました。
ちなみに我々は国境を越えた後かなり早いタイミングでガソリンスタンドを発見しVignetteを購入し、貼付しました。
それにも関わらずカメラに映ったということから考えて、カメラは国境付近に設置してあるのではなかと推測しています。
特別な通行料がかかる区間に注意
部分的にVignetteではなく特別な通行料が課される区間があることにも気を付けてください。
以下の区間がこれに当たります。
- Arlberg Schnellstraßen-Tunnel
- Brenner-Autobahn
- Karawanken Autobahn-Tunnel
- Pyhrn-Autobahn (Bosruck)
- Pyhrn-Autobahn (Gleinalm)
- Tauern-Autobahn (Tauern/Katschberg)
引用した地図でいうと緑色で示された区間です。
我々はこの区間に差し掛かる前に立ち寄ったサービスエリアに設置の自動販売機で支払いを済ませました。
また、この時利用した特別区間は入り口に料金所があったので、そこで支払うこともできるのではないかと思われます。
オーストリアの周辺国ではどうか
ヨーロッパの高速道路は国によって料金の徴収システムが異なるのがややこしい点です。
参考までにオーストリアの周辺国はどうなのかを調べると、次の3つのシステムに分けられます。
無料の国
- ドイツ(12トン以上のトラックは有料)
料金所で徴収する国
高速の入り口でチケットをとって、降りるときに料金所で精算するシステムです。
- イタリア
- クロアチア
オーストリアのお隣であるイタリアでも運転するという方は、イタリアでの運転に関する以下の記事も参考にしてください。
チケットを購入する国
オーストリア同様にチケットを購入する国々も多くあります。
国によって細かな違いがあるので、走行予定の方は国ごとにそれぞれチェックしましょう。
- ハンガリー(E-Vignette)
- スロヴェニア(Vignette/Vinjeta)
- スイス(Vignette)
- チェコ(Vignette)
レンタカーの場合は
欧州在住ならば自分の車で出かける人もいるでしょうが、日本からの旅行者の場合はレンタカーの利用となりますよね。
レンタカーでオーストリアの高速に乗る場合ももちろんVignetteは必要です。
しかし、レンタカーによっては予めVignetteが貼ってあるパターンもあります。
車を借りる際にVignette購入の必要があるかどうかを確認してみるといいでしょう。
また、オーストリア国内だけでなく周辺国の高速道路を利用する予定の方は、国外の高速道路に関しても尋ねるようにして下さい。