日本人ジャパン・レール・パス購入|海外在住者の必要書類と使い方ガイド

外国人旅行者の特権というイメージが強いジャパン・レール・パス、実は海外在住の日本人でも購入できることをご存じでしたか。
一部の例外はあれど、新幹線が乗り放題になるという夢の切符、入手できたら一時帰国時の国内移動コストが大幅に節約できます。
今回はそんなジャパン・レール・パスに関する下記のようなことがらをまとめて記事にしました。
近々帰国予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • パスの概要
  • 購入資格
  • 必要書類
  • 買い方
  • 使い方やルール

日本人でもジャパン・レール・パスは買える

日本人でもジャパン・レール・パスは購入可能

日本人でもジャパン・レール・パスを買うことはできます
訪日旅行者専用の商品というイメージが強いので、日本人には売ってもらえないと思っていた方も多いのでは。
しかし、国外に暮らす邦人の場合は一定の要件を満たせば購入資格が与えられるのです。
同商品最大の魅力は何といっても新幹線が乗り降り自由になる点。
また、JRグループが売り出しているということで、全国をカバーしているところでしょう。
一時帰国の際に、安く・早く・快適に国内移動したいという方には見逃せないアイテムです。

ジャパン・レール・パスの基礎知識

ジャパン・レール・パスの基礎知識

訪日外国人がメインターゲットの商品なので、そもそもジャパン・レール・パスがどのようなものかよく知らないという方がほとんどですよね。
ここからは、買う前に理解しておきたいジャパン・レール・パスに関する基本情報を説明します。

概要

ジャパン・レール・パスとは、JRグループ6社の鉄道・路線パスが乗り放題になるとてもおトクな乗車券
訪日旅行者や10年以上国外に暮らす日本人が利用できます。
一部の新幹線が利用不可などの制限はありますが、全国にネットワークを持つJRグループの列車で旅行できるというとても魅力的な切符なのです。

値上げ前の価格

2023年7月現在、海外の指定販売店・代理店で買う場合「グリーン車/普通車」・「期間」によって下記のような価格が設定されています。

種類グリーン車普通車
7日¥39,600(¥19,800)¥29,650(¥14,820)
14日¥64,120(¥32,060)¥47,250(¥23,620)
21日¥83,390(¥41,690)¥60,450(¥30,220)
JAPAN RAIL PASS公式サイト 2023年7月19日閲覧
米()内はこども(6歳~11歳)料金

値上げ後の価格

2023年4月14日、ジャパン・レール・パスの価格改定が発表されました。
実施予定は2023年10月頃のようです。

ジャパン・レール・パスの値上げ後の価格表
引用元:JAPAN RAIL PASS公式サイト

これまでと違い、販売場所による価格の違いがなくなりシンプルで分かりやすくなりました。
値上げの理由としては、新幹線の伸長により周遊エリアが拡大したことや専用ページでの販売・指定席予約の導入・自動改札機利用などサービスが拡充したことが挙げられています。
たしかに、最近は新幹線が全国津々浦々に拡大し、非常に便利になりました。
大胆な値上げ率という気もしますが、昨今の円安を考えると妥当かもしれませんね。

購入条件

ジャパン・レール・パスの購入条件は下記の通り。

  • 外国から、短期滞在の入国資格で、観光を目的として日本を訪れる外国人旅行者
  • 国外に居住する日本人のうち、日本のパスポートと「在留期間が連続して 10 年以上であることを確認できる書類で、在外公 館で取得したもの等」を有する人

日本人の場合、2つ目の条件に当てはまれば買うことができます。
10年以上連続して同じ外国に暮らしているという方は、後に説明する書類の入手方法をチェックしてくださいね。

ジャパン・レール・パスは元がとれるのか

ジャパン・レール・パスは元がとれるのか

ジャパン・レール・パスの元をとるのは、多くの人にとって簡単といえます。
2023年7月現在、現行の7日間・普通車・大人用の料金は¥29,650です。
これを7で割ると約\4,325になります。
つまり、1日に\4,235以上の移動をするなら元がとれることに。
割引などを利用せずに東京から新大阪までひかりで移動する場合、料金は\14,400
所要時間は2時間54分しかかからないことも考慮すると、元をとるのは難しくないことがおわかりいただけるでしょう。
値上げ後の\50,000で考えてると、元をとれるのは1日\7142以上の移動
値上げされたとしても、元をもるのは容易なままといっていいでしょう。
また、普通に東京~新大阪の券を買ったた場合、途中下車はできませんよね。
しかし、ジャパン・レール・パスならば、何度途中下車してもいいわけです。
なので、東京から名古屋へ行き、一日観光してから夜に大阪入りという使い方も可能。
やはり、非常に利用価値の高い商品といっていいでしょう。

必要書類の準備

必要書類の準備

日本人のパス購入必要書類は住んでいる地域を管轄する大使館・領事館などで入手可能です。
海外在住日本人の場合、ジャパン・レール・パス購入に際して「在外公館が発行する在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類」の提示を求められます。
多くの人は「在留届の写し」か「在留証明」のどちらかを準備することになるでしょう。
また、アメリカ・カナダ・ブラジルに限っては、それぞれの国の永住カードが使えるケースもあります。
馴染みのない書類ですが、下記の手順で簡単に入手できるので安心してください。

在留届の写しの場合

国外に暮らす場合、近くの大使館などに提出する在留届、この在留届の写しが証明として使えます。
こちらは無料で交付してもらえるのが嬉しいポイント。
交付から6か月以内のものに限り有効である点には気を付けてください。

在留届の写しを証明に使える人の条件

  • パス引換券購入の10年前の同じ月以前に在留届を提出
  • 上記の期間継続して同地に住んでいる

上記の条件をどちらも満たす場合に利用できます。
10年以上同地に暮らしていても、何らかの都合で在留届を出すのが遅れていると書類上では10年に満たない可能性も。
いつ届を出したかが不明瞭な場合は、大使館・領事館に問い合わせてみましょう。

申請方法

申請は窓口か郵送での手続きとなります。

窓口で申請する

居住地を管轄する在外公館に在留届の写し交付申請書とパスポートを持参して手続きします。
同居家族の情報も併せて記載が必要な場合は、家族の分の交付申請書と個人情報提供に関する同意書、また同意した家族全員分のパスポートの原本も持参しなければなりません。

郵送で申請する

郵送の場合は、下記の書類を在外公館に送付します。

  • 在留届けの写し交付申請書
  • パスポートの人定事項ページのコピー
  • 住所疎明資料(公共料金の領収書など)
  • 返信用封筒(返信に十分な切手を貼付済のもの)

在留届提出時から旅券番号や住所などに変更がある方は、前もって届出情報をアップデートしてから手続きしましょう。
情報の更新はオンラインでできます。

在留証明の場合

在留証明を取得したい場合は下記の書類を提出します。

  • 住所を確認できる書類
  • 本人確認ができる書類(有効な旅券など)

こちらは発行手数料(JPYで¥1,200相当)がかかり、支払いは現地通貨のみとなるのでキャッシュの持参をお忘れなく。
こちらも交付から6か月以内のものでないと無効なので、あまりにも早く交付申請しないように気をつけてください。

アメリカ・カナダ・ブラジルの永住カードの場合

アメリカ・カナダ・ブラジルのいずれかに居住している方は、それぞれの国の永住カードが使える可能性も。
この場合、永住カードは当該国に10年以上在留していることが記載されたものでないと使用不可なので要注意。
なおこれについては、ジャパン・レール・パスの公式サイト上で、「当面の間の特例」として扱われているので、今後変更の可能性がありそうです。
必ず、利用直前に公式ページで条件変更がないかをチェックしてくださいね。

10年以上の意味

購入条件にある「10年以上」という文言は厳密にいうと次のような意味です。
引換証を購入する時点で、確認書類において10年前の同じ月以前から当該国に住んでいることが証明できる。
具体例を挙げると、2023年7月1日に引換証購入する人の場合は「2013年7月以前」のものが有効です。
〇2013年7月1日~7月31日
〇2013年6月
×2013年8月

ジャパン・レール・パスの買い方

ジャパン・レール・パスの買い方

パスを入手する手順は、海外の販売店・代理店で購入したあとに、日本で受け取るという2STEPの流れになります。
外国人の場合は日本国内窓口やオンラインで買うこともできますが、海外居住の日本人は利用不可である点に注意してください。

【STEP1】海外販売・代理店で購入

海外にある代理店で購入できます。
JTB・日本旅行・KNT-CT・東部トップツアーズ・JAL・ANAセールスアメリカなどと提携しているので、近くにあるお店を検索してみましょう。
購入後には引換証を渡されます。
これを日本で実際のパスと交換しなければ利用できないので、忘れずに持参しましょう。

【STEP2】日本の引換場所でパスを受け取る

利用開始前までに日本のジャパン・レイル・パス引換所でパスを受領します。
受取の際には、下記のドキュメントを提示しなければなりません。

  • 引換証
  • パスポート
  • 購入資格に関する証明書(在留届の写し・在留証明など)

引換場所

引き換えは、各地の主要駅切符売り場・Information Desk・旅コンシェルジュ・旅行代理店内などで受け付けされています。
また、主要国際空港では空港内施設・空港駅での引き換えも可能なため、到着してすぐに使いたいという場合に便利です。

  • 成田空港:成田空港駅(第1ターミナル)/空港第2ビル駅(第2・第3ターミナル)
  • 羽田空港:羽田空港第3ターミナル駅/モノレール羽田空港第2ターミナル駅
  • 中部国際空港:セントラルジャパン トラベルセンター
  • 関西空港:関西空港駅

いずれの場合も、窓口により営業時間が異なります
引き換えする窓口には目星をつけておき、予め営業時間を調べておきましょう。

ジャパン・レール・パスの使い方とルール

ジャパン・レール・パスの使い方とルール

ジャパン・レール・パスを利用するにあたって知っておきたいルールをご紹介します。

使えるエリア・列車

JRグループ全線の下記の列車・バス・フェリーが利用可能。
一部例外はあるものの、全国各地ほとんどのJRの列車に乗り放題といえます。

  • 新幹線(のぞみ・みずほは除く)
  • 特急列車
  • 急行列車
  • 普通列車
  • BRT(バス・ラピット・トランジット)
  • 東京モノレール
  • JRバスの各ローカル線
  • 宮島フェリー

一部区間では追加料金が発生する

JR以外の会社線を経由する列車の場合、他の会社の区間の分だけ追加で運賃を徴収されます。
例えば、JR京都駅から天橋立・豊岡方面へ旅行するとしましょう。
京都駅~福知山駅まではJRの路線なのでジャパン・レール・パスが適用されます。
しかし、福知山駅から豊岡駅間についてはJRではなく京都丹後鉄道という私鉄が運転する区間です。
そのため、同区間の運賃はパスではカバーされず、追加料金を支払わなければならないことになります。

有効期間は連続する7・14・21日

利用を開始したら、連続した7・14・21日間に限り有効です。
青春18きっぷのように、連続しない好きな日を選んで利用できるわけではないのでご注意を。

利用開始時は自動改札機OR駅員のいる通路を通ろう

パスの利用をスタートする最初の1回目には、自動改札機か駅員がいる通路を通りましょう。
駅員がいる通路利用の場合には、パスに利用開始のスタンプをもらうのを忘れないでください。

座席の指定は日本で

座席指定は日本のJRの駅や旅行センターなどで受け付けています。
利用に際しては窓口を訪れ、座席指定券を発券してもらいましょう。
なお、座席指定に関して追加料金は発生しません

ジャパン・レール・パスの注意点

ジャパン・レール・パスの注意点

ジャパン・レール・パス利用にあたって、気をつけたいポイントを解説します。

購入から3か月以内に引き換えを

海外で購入した引換証は、購入日から3か月以内にパスと引き換えすることになっています。
引き換えは利用日1か月前から可能なので、うっかり失効させることのないよう気をつけましょう。

再発行はなし

紛失・盗難が起こってもパスは再発行してもらえません
他の貴重品とともにしっかりと管理しましょう。

外国人は短期滞在スタンプ・シールがいる

海外に永住している方の中には、外国人パートナーと結婚しているという方も多いでしょう。
パートナーと一緒に日本を訪れて同パスを使用する際に注意したいことが1点あります。
それは、外国人旅行者の場合「短期滞在」の入国資格を示すスタンプ・シールがないとパスの引換・利用ができないということ。
近年入国審査の自動化ゲート導入が進みましたょね。
このゲートを通過して入国した場合、スタンプ・シールはもらえません
近くにいる職員に申し出て、スタンプ・シールを受けるようにしましょう。

ジャパン・レール・パスに関するQ&A

ジャパン・レール・パスに関するQ&A

ここからはジャパン・レール・パスに関してよくみられる質問にお答えします。

日本で買える?

日本国籍保持者の場合、日本での購入はできません
外国人旅行者ならば、2023年7月現在においては、Web上か日本国内窓口でも購入ができます。
しかし、邦人は海外のJR指定販売店・代理店での購入のみ可となっているので、必ず渡航前に準備しておきましょう。

値上げはいつから?

大幅な値上げが発表されているジャパン・レール・パスですが、値上げ時期は2023年10月ごろと発表されています。
詳細な日程は決まっていないようなので、今後の発表を注視したいところですね。

子供に特例はある?

引換券を購入する時点において、在留期間が10年未満の小児(12歳未満)に関しては、下記の2つの条件を満たせばジャパン・レール・パスを利用できます。

  • 同居家族(親など)が証明書類として提出する一通の在留届の写しの中で「在留期間が連続して10年以上である人」と同居していることが確認できる
  • その同居家族と一緒にパスを利用する。

つまり、12歳未満の子供が親と一緒にジャパン・レール・パスを使うならば、親の在留届の写しで両者が同居していることが証明できれば大丈夫ということですね。

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