海外へ渡る場合には必携のパスポートですが、移住・長期滞在となると、海外にいる間に現在のパスポートの有効期限が切れることもあります。
そんな場合には、居住国でもパスポートの切替申請が可能です。
今回は、海外の在外公館で申請・受領する従来のやり方と、2023年に開始したオンライン申請のやり方両方をご紹介します。
ご自身にあった方法で、失効前に余裕をもって手続きをしましょう。
海外在住者がパスポートを更新する方法は3つ
海外在住の日本人がパスポートを更新する場合には以下の3つの方法があります。
- 在外公館で申請・受取
- オンライン申請・在外公館で受取
- 一時帰国して日本で申請・受取
その中でも今回は、海外の居住国で更新する場合についてご紹介します。
日本に一時帰国して申請・受取する場合の必要書類や流れに関しては別記事にまとめてあるので、よろしければそちらを参照してください。
在外公館に出向いて申請する場合
まずは、住んでいるところから最寄りの日本大使館や領事館などに出向いて更新(切替発給)する方法です。
準備するもの
有効期間満了により、パスポートを更新する場合に必要な書類は以下の通りです。
- 旅券発給申請書 1通(備え付け)
- 現在のパスポート(有効なもの)
- 証明写真(縦4.5cm×横3.5cm、6か月以内に撮影されたもの)
- 現地の住民登録IDカードなど ※なければ省略可
- 【日本国籍のみの人】有効な滞在許可証
- 【重国籍の人】他国政府が発行した有効なパスポート
- △戸籍謄本(基本的に不要ですが、記載事項に変更がある場合などには要提出)
旅券発給申請書は、大使館などに備え付けのものがあるので、現地で直接記入できます。
本籍地・緊急連絡先などを記入する必要があるので、うろ覚えな場合はメモをとっていくようにしましょう。
現地で記入する他にも、予めオンラインで必要事項を記入してプリントアウトしたものを持参することもできます。
戸籍謄本を提出しなければならない場合は、申請日の6か月以内に発行されたものが必要となります。
日本から取り寄せるにはある程度時間がかかるので、早めに準備を始めるようにしたいですね。
発給手数料は、受領時に支払います。
支払い方法は、現地通貨現金のみの支払いとなるので、普段カード払いばかりしている方はキャッシュの用意をお忘れなく。
申請から受取までの流れ
申請から受取までの流れは以下のようなものです。
基本的に、日本で申請する場合と同じと考えていいでしょう。
- 必要書類を準備
- 大使館・領事館で申請書類提出
- 指定された日以降に、手数料を持って受け取りに行く
大使館・領事館に申請に行くにあたり予約などは不要でした。
しかし、これに関しては、それぞれの国の在外公館によって異なる可能性もあります。
無駄足とならないように、出向く前に最寄りの在外公館のサイトなどで確認してから出向くようにしましょう。
オンライン申請する場合
最近はパスポート更新のオンライン申請もできるようになりました。
まだ新しい制度ですが、便利なのでこれからパスポート更新予定の方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
準備するもの
- カメラ付き、NFC(近距離無線通信)対応のスマホ
- 現在の有効なパスポート
- △戸籍謄本(基本的に不要ですが、記載事項に変更がある場合などには要提出)
※記載事項に変更があるなどの理由で戸籍謄本が必要となる場合には、大使館等の窓口に持参するか、郵送での提出となります。
その他に以下のようなものを事前に準備しておくとオンライン申請がスムーズに進みます。
- 写真(背景無地)
- 自分のサインの写真
申請から受取までの流れ
- パスポート申請(海外在留邦人用)アプリのダウンロードしておく。(iPhone/Android)
- オンライン在留届にログインし、「旅券・証明の電子申請を行う」を選択する。
- 手順に従って必要事項記入・写真などをアップロードする。(オンライン在留届のサイトからアプリに移動する形です)
- 一連の記入・登録作業が終了し、手続き状況一覧に「審査中」が表示されていることを確認したら、とりあえずは申請手続き完了。
- 審査完了後、手続き状況一覧に交付予定日・手数料納付のお知らせが届くのでチェックする。
- 交付予定日以降に、申請時に指定した在外公館に窓口受付用二次元コード・手数料・現パスポートを持参する。
直接とオンラインはどちらがおすすめ?
オンライン申請には以下のようなメリットがあります。
- 大使館・領事館に出向くのが受領時の1回で済む
- クレジットカード・デビットカードで手数料の支払いができる
一番大きなメリットは、在外公館に行くのが1回で済むので時間が節約できるという点です。
日本で更新する場合は、各都道府県にパスポートセンターがあるので、直接申請もそう苦にはなりません。
しかし、海外に住んでいると、大都市に住んでいない限りは大使館・領事館まで遠いですよね。
そういう方には、在外公館に出向くのが一度で済むオンライン申請がおすすめです。
一方で、オンライン申請はスマホを使っての入力・提出書類の登録などがあります。
大使館の近くに住んでいて、なおかつ機械やデジタルが苦手なら、従来通りの方法の方がむしろ楽という方もいるでしょう。
【やってみた】在外公館に出向いて申請した体験記
2024年2月に最寄りの在外公館にてパスポートの更新を行いました。
オンライン申請も便利そうでしたが、別の用事で近くまで行く予定があったので、今回は領事館で申請するアナログな方法です。
私の場合、記載事項の変更などもなかったため、パスポート・滞在許可証・証明写真を持参し、現地で備え付けの書類に必要事項を記入して提出するだけでした。
手続き自体は難しいことはなく、日本で手続きするのと同じです。
書類への記入が終わり、窓口に提出すると、受取開始日が記載された受領証が渡されます。
受取りは、申請した日から6日後だったので、かかる時間も日本でやる時と同じくらいですね。
ちょうど6日後に、新パスポートを受領に再び領事館へ向かいました。
受領時には、ICチップに登録された内容確認を行い、問題なければ手数料を支払って受領となります。
海外でのパスポート更新にまつわるQ&A
海外でのパスポート更新に関する疑問にお答えします。
パスポート更新はいつからできる?
パスポート更新申請の受付開始は、直接・オンライン問わず現在所持しているパスポートの有効期限が1年以下になってからです。
これは日本にいる場合と同様ですよね。
もしも、日本から戸籍謄本を取り寄せないとならない場合などには、少し余裕をもって申請準備を始めることをおすすめします。
在外邦人のオンライン申請はいつからできる?
海外在住者のパスポート更新のオンライン申請は、2023年3月27日よりスタートしました。
つまり、もう開始していて、実際に利用したという方の体験談なども見聞きする機会が増えたように思います。
戸籍謄本を日本から取り寄せる方法は?
パスポート更新に際し、戸籍謄本が必要となった場合は以下の方法で日本から取り寄せることになります。
1つ目は、日本に住む家族などに頼んで代理取得し、郵送してもらう方法です。
この場合、親・子など直系の親族や配偶者に頼める場合はいいのですが、それ以外の人に頼む場合は委任状が求められます。
この委任状はFAXやコピーではなく原本が必要となる点に注意が必要です。
2つ目は、海外から自身で直接日本の市区町村役場に郵送請求するやり方になります。
一例になりますが、渋谷区の場合以下のような書類を郵送して請求することになるようです。
いづれにせよ、日本と居住国との間で郵便でやりとりするのに時間がかかりますよね。
そのため、その分を見越して、時間に余裕をもって準備を始めましょう。