一時帰国する海外在住者の中には、日本で歯医者へ行きたいという方も多いでしょう。
しかし、その場合保険が使えるのかどうかが気になりますよね。
一時帰国時に国民健康保険に加入して3割負担で歯医者の診療をうけることはできるのでしょうか。
さらに、これまでの経験をふまえ、居住国でなく日本で歯科医にかかるメリット・デメリットや歯医者受診予定の方へのアドバイスなども記載しています。
次の一時帰国で歯医者受診を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
一時帰国で歯医者へ行く場合の保険
日本に暮らしている時は公的な健康保険があるので歯医者も3割負担で済んでいましたよね。
しかし、海外在住者が一時帰国で歯科へ行く場合はどうなるのでしょうか。
国保の場合とプライベートな保険の場合の両方をご紹介します。
国民健康保険は使える?
海外在住者が一時帰国して日本で歯医者に行く場合、国民健康保険は使えません。
なぜなら、国保は日本国内に住所がある人しか加入できないからです。
海外移住している方は、出国の際に海外転出の届けを出していますよね。
つまり、日本に住民票がなく、国保には加入できないのです。
人によっては、一時帰国の時に短期間だけ住民票を作り国保に加入して歯医者や病院にかかるという人もいるようです。
しかし、基本的にそのようなことは認められていないので注意しましょう。
プライベートな旅行保険はある?
調べた限り、一時帰国時の歯医医院への通院がカバーされているような保険はありません。
帰国前に居住国で海外旅行保険に加入してくる方は多いでしょうが、通常海外旅行保険は歯科への通院はカバーされないものがほとんどです。
これは、基本的に歯痛は慢性的な持病とみなされ、海外旅行保険の適用対象である緊急の病気やケガではないからと考えられます。
保険によってはオプションで歯科治療を付けることもできますが、その分保険料は高額になるので注意しましょう。
また、特約をつけるとしたら、加入時点で未治療の歯科疾病の有無や痛みの度合いなどを告知しなければならないようです。
そのことからも、海外旅行保険の歯科特約はあくまでも急な痛みによる歯科受診用と考えていいでしょう。
日本で歯科に行くメリット
世界中のどこに住んでいても、現地に歯医者はありますよね。
そんな中で、あえて一時帰国中に日本で歯科に行くメリットは何なのでしょうか。
- 日本語が通じる
- 居住国より費用が安いこともある
- 居住国よりもレベルが高い場合もある
多くの方に共通するメリットは日本語で話せるということでしょう。
もちろん、言葉の問題は各々の外国語のレベルによるので一概には言えませんが、細かい悩みまで相談できるのは母国語ならではです。
また、費用に関しても居住国によってまちまちです。
住んでいる国の歯科の料金を調べ、日本で自費治療した場合と比べてどちらが安いか考えましょう。
歯科のレベルについても居住する国によって違います。
あまり医療のレベルが高くない国に住んでいる場合は、一時帰国中に日本の歯医者に行くメリットは大きいです。
日本で歯科に行くデメリット
一時帰国中に歯医者へ行くことにはデメリットもあります。
- スケジュール的に厳しい
- 一時帰国中の旅行が難しくなる
- アフターケアが受けられない
一時帰国では、基本的に長期休暇などを利用して数週間のみ日本に滞在するという人が多いですよね。
歯医者に行って治療が完了するまでにどれくらい時間がかかるかは先生に診てもらうまで分かりません。
もし、虫歯がひどくて治療にも時間がかかるという場合、滞在中に治療が終わらないことも考えられます。
また、一般的に歯医者で治療となった場合一度では終わらないことが多いですよね。
何度も通うとなれば、歯医者に通える範囲にとどまらなければならないので、一時帰国中に色んな所に旅行するのは難しくなります。
他にもアフターケアが受けられないという問題もあります。
居住国へ帰ってから詰め物がとれたり痛みが出たりした際に、同じ先生に診てもらうことが出来ないのも大きなデメリットです。
一時帰国で歯医者に行く場合におすすめしたいこと
一時帰国という限られた期間で歯医者へ行く場合、時間との勝負という面があります。
そのため、出来るだけスムーズに事が運ぶように、帰国前から通院予定の歯科医院に予約をとることをおすすめします。
その際に、海外在住であること・日本での滞在予定期間・自身の症状(気になる歯がある場合)などを伝えておくとよりスムーズかもしれません。
歯科医院によっては、一時帰国のような特別な事情がある人向けに短期間で診療・治療を終わらせてくれるところもあります。
スケジュールがタイトな場合はこういうクリニックを検討してみてもいいでしょう。
これから渡航する人へのアドバイス
海外の歯医者は保険がきかずとても費用が高額な場合が多いです。
私の経験談では、ニュージーランドの歯医者へ行き、もしRoot Canal(根管治療)となった場合NZ$1200と言われた記憶があります。
カナダ在住の方のブログによると、カナダの歯医者で子供の乳歯の抜歯が3万円したという話もありました。
これらの事実をふまえ、これから海外へ渡航する方には以下のようなことをアドバイスしたいです。
渡航前に治療を済ませておく
留学・移住などでこれから海外へ長期滞在する方は、前もって歯科に行き治療を済ませておくことをおすすめします。
仮に今現在気になるところがなくても、検診だけでも受けておきましょう。
その際に、海外に長期滞在する予定があることを伝えると、先生の診断の役に立つかもしれません。
歯科特約付きの保険もある
海外留学・ワーホリに行く方は海外留学・ワーホリ用保険に加入する方が多いですよね。
しかし、一般的にこれらの保険では歯科治療はカバーされません。
特約で歯科治療をつけられるものもありますが、その分保険料が高くなることには注意しましょう。
海外に滞在する期間などを考慮して、本当に必要だと思えば特約を付けてもいいですね。
その場合は、会社ごとに補償内容に違いがあるので、しっかり内容を確認してから契約したいものです。