旅行者の中には、イタリアでレンタカーを借りて運転したい人もいるでしょう。
イタリアでも、都市間を長距離移動する際には、高速道路の利用が便利です。
そこで今回は、イタリアの高速道路Autstrada(アウトストラーダ)についてご紹介します。
制限速度・料金の支払い方などの基本的な乗り方から、サービスエリア・ガソリンの給油法などの補足情報などもまとめました。
これからイタリアの高速道路を利用する人のお役に立てると幸いです。
イタリアの高速道路の制限速度
イタリアの高速道路の制限速度は130Km/hです。
ただし、普通免許取得後3年未満の人は110Km/hとなるのでご注意ください。
また、雨降りの日には最高速度110Km/hになります。
ガンガン飛ばしている車もいますが、周りにつられてスピード違反とならないように気を付けましょう。
イタリアの高速道路の乗り方
ここからは、イタリア高速の乗り方を乗り口・降り口(料金所)に分けて解説します。
基本的に日本と似ているので、あまり心配する必要はありません。
乗り口
高速に乗る時は、乗り口でチケットを受け取ります。
まず、普通の道路から、緑色の看板に従って進めば高速の乗り口へ導いてくれます。
高速の入口には、料金の支払い方法別にいくつかの列があるので注意。
ゲートの上に大きな看板が掲げてありますが、Telepassと書いてあるところは日本でいうETC専用のレーンなので、Telepassを使う時以外は間違えて通過しないように気を付けてください。
レンタカーではTelepassは搭載していないので、観光客がこれを利用することはほぼありません。
料金の支払いは高速を降りる時なので、入口ではチケットを受け取るだけです。
ちなみに、イタリアのシステムは日本と似ていますが、隣接するスイス・オーストリア・スロヴェニアなどでは料金徴収システム異なっていて、初めての時には戸惑います。
イタリアだけでなく、周辺国にも高速で向かうという場合は、オーストリアの高速道路料金システムについてまとめた記事があるのでそちらを参考にしてください。
(スイス・スロヴェニアもオーストリアと似ています)
降り口:料金所での支払い
降りる時は、チケットを支払い機に挿入し、モニターに表示された料金を支払えばOKです。
降り口では、料金所にTelepass・Carte・現金のレーンがあるので、自分の支払い方法にあったレーンに進みます。
Telepass:日本のETCのようなもの(レンタカーには搭載なし)
Carte:Viacard(プリペイド方式のカード)・クレジットカード
お札・コインの絵:現金払い
先ほども述べたように、多くの日本人旅行者は現金で支払うことになるでしょう。
その場合、列に並び、自分の番が来たら高速の入口で受け取ったチケットを支払い機に挿入します。
そうすると、機械のモニター画面に料金が表示されるので、現金投入口からお金を投入してください。
支払いが完了すると、目の前のバーが上がり外に出られます。
ちなみに、料金所によっては、自動支払機だけでなく有人ブースがある所もあります。
イタリアに慣れていない外国人としては有人ブースが一番安心ですが、多くの場合有人ブースの前には一番長い列ができているのも事実です。
ちなみに、高速を降りて下道に出たら、駐車場を探すこともありますよね。
イタリアでは、路上に駐車場があり、引かれている線の色で駐車の可否や有料・無料かが分かります。
それに関しては、詳しく説明した別記事があるので、そちらをご参照ください。
イタリア高速道路のサービスエリア
イタリアの高速には、サービスエリアがたくさんあります。
旅をするエリアにもよりますが、体感で2、30分に1か所くらいはありました。
日本のサービスエリア同様、飲食スペースで食事したり、お手洗いを借りたり、ガソリンの給油ができます。
サービスエリアによっては、シャワーが借りられるところもあり便利です。
色々なサービスエリアがある
運営している会社も色々あるので、毎回違う所に行くのも高速の旅の楽しみになります。
クリスマスのパンドーロ・パネットーネやイースターのコロンバなど、イタリアの年中行事に欠かせないお菓子で有名なヴェローナ発の食品メーカーBauliのサービスエリアもあります。
サービスエリアのバールの利用方法
サービスエリアのバールでは、先にCassa(カッサ、レジの意)で注文・支払いを済ませてから、カウンターに向かうシステムが多いです。
まず、レジで欲しいものを告げ、お金を支払いレシートを受け取ります。
その後、バーカウンターへ向かい、スタッフにレジで受け取ったレシートを見せてください。
そうすると、スタッフが注文したものを提供してくれる仕組みです。
イタリア語が話せない旅行者には中々厳しいシステムですが、郷に入っては郷に従えということでルールに従う他ありません。
中に入ったら、まずはCassaを探して注文・支払いを。
その後、BARのカウンターでレシートをスタッフに見せればOKです。
ガソリンスタンドでの給油に役立つ知識
高速道路のサービスエリアで給油をする人も多いでしょう。
そこで、ここからはイタリアのガソリンスタンドで給油する際に役立つ知識をご紹介します。
ServitoかSelf/BenzinaかDieselかに注意して進入する
ガソリンスタンドに入る時には、2つの事に気を付けて駐車する位置を選択しなければなりません。
1つ目に気を付けるのが、ServitoかSelfかです。
Servitoは店員さんが全てやってくれます。
一方、Selfなら、文字通り給油や機械操作など全て自分で行わなければなりません。
ServitoかSelfかで車を停めるべき所が別れているので、ガソリンスタンド内の掲示を確認し、希望する方に駐車しましょう。
2つ目に気を付けるべきことが、Benzina(ガソリン)とDiesel(ディーゼル燃料)のどちらを給油するかです。
運転している車によって、BenzinaかDieselか決まっているので、間違えないようにしましょう。
どちらのタイプかは、車の給油口を開けると、大抵カバーの裏に明記されています。
ガソリンスタンドによって、BenzinaとDieselで給油する場所が異なるの場合と同一の場合がありますが、別になっているガソリンスタンドの場合は、正しい方に駐車しましょう。
カバーの裏にDieselと表記されているので、この車にはディーゼル燃料を給油すると分かります。
BenzinaとDieselでは、給油機のノズルの太さも違います。
Self(セルフ)の場合はまず支払い機で支払いを
セルフの場合は、まず給油機の付近にある支払機で料金を支払ってから給油を行います。
支払い機は、タッチパネル方式で、聞かれたことに答えていけばいいので落ち着いて操作すれば大丈夫です。
利用するガソリンスタンドによって操作方法はまちまちですが、大抵以下のような質問が表示されます。
- 給油機の番号(給油機ごとに番号が書かれているので、自分が使う機械の番号を確認して入力)
- BenzinaかDeiselか(給油口のカバーで確認できる)
- 支払い方法(クレジットカード・デビットカード・現金などから希望の支払い方法を選択)
- Scontrino(レシート)が必要か不要か(交通費を会社の経費で落とすような場合は忘れずにSÌ(Yes)を選択)
このガソリンスタンドで言うと、写真左端のオレンジ色のATMのようなマシーンが支払機です。
支払いを済ませた後は、日本のセルフ式スタンドと同様の手順で給油できます。
ちなみに、支払いに関しては、はじめから支払い機ではなくガソリンスタンドの店内のレジで支払う方式の所や、「支払い機が故障中のため、店内で支払いをしてください」と貼り紙がしてある場合もあります。
支払い機がない場合や、故障中の場合は、ガソリンスタンドのお店の中に入りレジで精算しましょう。
イタリア高速に関する豆知識とアドバイス
イタリア高速道路に関しての豆知識やアドバイスをご紹介します。
読んでおくと、イタリア高速の旅が楽しくなったり、何かの時に役立つはずです。
アウトストラーダA1は地下鉄・御堂筋線のような道路
イタリアには、A1という高速道路があります。
このA1は、アウトストラーダ・デル・ソーレ (太陽の高速道路)との異名をもつ道路です。
ミラノ・ボローニャ・フィレンツェ・ローマ・ナポリといったイタリアの主要都市を結ぶ大動脈。
たとえるものがあるとするならば、大阪御堂筋線のような存在で、観光客でもお世話になることが多いでしょう。
ちなみに、このA1のBologna(ボローニャ)~Firenze(フィレンツェ)間には、Direttissima(超まっすぐの道路)かPanoramica(見晴らしのいい道路)という2つの道に分かれる区間があります。
Direttissimaが新しい道でPanoramicaが旧道ですが、旧道を古い道と言わず「見晴らしが良い」とポジティブに表現しているのが素敵です。
ちなみに、Panoramicaを通った感想を言うと、山々に囲まれて気持ちのいいドライブができる上、交通量が少なく快適でした。
同区間を往復する人は、行と帰りで異なる道を通っても面白いです。
長距離移動なら日曜日が狙い目
イタリアの高速では、日曜日は9:00~22:00(6月~9月は7:00~22:00)大型トラックの通行量が減るので、長距離を移動するなら日曜日がおすすめです。
隣国と車で行き来できるイタリアの高速道路は、通常国内はもちろん、ヨーロッパ各地からの荷物の輸送トラックが沢山走っています。
そのトラックが減るだけで、幾分か交通量が減るからです。
もちろん、休日なので一般の車両が増える可能性はありますが、試してみる価値はあります。
ウインカーを出さずに車線変更する人が多いので注意
イタリアの高速では、ウインカーを出さずに車線変更する人が多いと感じました。
そのため、周囲の車のムーブには十分注意して運転することをおすすめします。
バカンスシーズンは早めのトイレ休憩を
ヨーロッパのバカンスシーズンには、近隣諸国から大量の観光客が押し寄せるイタリア。
当然、高速道路もサービスエリアも混雑します。
個人的な経験でいうと、夏休みのシーズン真っただ中に、オーストリアから高速でイタリアに帰ってきた時の混雑ぶりは凄かったです。
その際に、食事・トイレ休憩にサービスエリアに立ち寄りたかったのですが、2か所連続で超満員で駐車スペースがありませんでした。
結局諦めて先に進み、下道に降りて道路沿いのマクドナルドに立ち寄りることに。
バカンスシーズンに高速を利用する場合には、早め早めのトイレ休憩をおすすめします。