イタリアの街では路上駐車が多いですよね。
一見どこにでも自由に縦列駐車しているように見えますが、もちろん好き勝手に停めていいわけではなくルールは存在するのです。
この記事ではイタリアの路上駐車を使いこなせるように以下の事柄を写真付きで解説します。
- 路上駐車場3種類(線の色による見分け方)
- 駐車場の看板の見方
- 駐車料金の支払い方
- 路上駐車を利用するために知っておきたいこと
※万が一、記事の内容からルール変更などが起こり、交通違反でペナルティを受けることがあっても当ブログは一切責任を負いかねます。
記事の内容はあくまでも基礎知識を身につけるための参考とお考え下さい。
イタリアの路上駐車場には3種類がある
イタリアにはいたるところに路上駐車場がありますが、引いてある線の色によって大まかに3つの種類に分けられます。
具体的には黄色・白色・青色です。
それぞれ駐車可/不可・有料/無料かなどの違いがあるので、この色の違いを知ることは非常に重要となります。
さらに、停めて良いところでも時間帯・駐車可能な時間の長さなどには違いがあるのも重要な点です。
各駐車場ごとの細かい条件は近くに設置してある看板で確認することになるので、この看板の見方も併せてご紹介します。
黄色い線:駐車できない
黄色い線で線が引かれているところは駐車禁止です。
登録された車両などだけが駐車できるスペースになります。
ここに車を泊めると、レッカー車で撤去されるので絶対に停めないようにしてください。
白い線:無料で駐車できる
白い線で線が引かれたところは無料で駐車できます。
ただし、条件付きの利用となる場合も多いので、毎回条件をチェックするのを怠らないでください。
具体的には個々の条件は付近に設置された「P」の看板でチェックします。
以下で看板の見方を確認していきましょう。
看板をチェックしよう
看板が「P」の文字だけの場合は特に条件なしに無料で利用できます。
「P」の下にクロスされたハンマーのマークや文字・数字が記載されている場合は、曜日・時間帯などによって時間制限があるなど、何かしらの利用条件があります。
記載事項 | 意味 |
---|---|
ハンマーがクロスしたマーク | 平日(月~土) |
Domenicaなどの曜日 | 日曜日など曜日 |
○○minuti | ○○分 |
○○ore | ○○時間 |
例えば上の写真のような看板があるとします。
大きな「P」という文字の下にマークや数字が書いてありますね。
それぞれ以下のようなことを表しています。
- 2ore:2時間まで
- クロスされたハンマーのマーク:平日(月~土)
- 9,00~19,00:午前9時~午後7時まで
これは、「無料で駐車できます」ただし「平日の午前9時~午後7時の間は2時間以内の駐車に限る」ということを示しています。
平日の午前9時~午後7時の間に3時間駐車した場合は罰金などの対象となるということです。
それ以外の時間帯(平日の午後7時~翌日午前9時まで)・休日はずっと無料で駐車できます。
時間制限がある場合Disco Orarioを設置しよう
看板に「20minuti」といった具合に時間制限が書かれてある場合は、駐車開始時刻を提示する必要があります。
その時に利用するのがDisco Orario(ディスコ オラリオ)と呼ばれるものです。
これはパスポートくらいのサイズのディスクで、手動で動かせる時計のような部分があります。
この時計を自分が車を泊めた時間(駐車場の利用開始時刻)に合わせ、車の中の見えやすい位置に置いてから車を離れましょう。
具体的にはダッシュボードに置くといいです。
Disco Orarioは普通は車を買った時についてきますし、レンタカーでも一緒に貸してくれます。
持っていない場合や紛失した場合はガソリンスタンドやTabacchi(タバコ店、タバッキ)などに売ってあるようです。
青い線:有料で駐車できる
青い線の駐車場は基本的に有料駐車場です。
まず空いているスペースに駐車し、その後付近に設置してある機械で料金を前払いすると払った料金の分だけ駐車可となります。
料金は看板や料金支払い機に記載してある場合がほとんどです。
機械で料金の支払いを済ませるとチケットが発券されるので、車の見えやすい所(ダッシュボードの上)に置いてください。
これを怠ると罰金が課されてしまいますよ。
ただし、青線の駐車場でも、曜日・時間帯によっては無料で利用できる場合もあります。
そのため、青線の駐車場に停めた場合も、しっかり看板を確認するようにしましょう。
看板をチェックしよう
例えば青線駐車場に写真のような看板があるとします。
この場合、午前9時~午後7時の間は最大4時間まで駐車可能です。
もしくは10時間駐車できる1日券を買うこともできます。
また、看板に書かれた午前9時~午後7時以外の時間帯ならば無料です。
有料駐車利用の流れ
- 駐車する
- 看板を確認する
- 支払い機で料金を前払いする
- 発券されるチケットを自分の車の見えやすい位置に提示する(車内ダッシュボード上など)
くれぐれもチケットを外から見えやすい位置に置いてから車を離れるのをお忘れなく。
また、遅れず時間内に車に戻るようにしましょう。
料金支払い機の使い方
有料の路上駐車場の近くには、ほとんどの場合上の写真のように「BIGLIETTI」と書かれた看板とともに料金を支払う機械が設置してあります。
駐車料金は機械のどこかに表示してあるので(このマシンの場合、上から2列目の右側)、利用予定の時間分だけの料金を支払いましょう。
支払いにはコインかデビットカードなどのカードが利用できます。
基本的に案内画面の指示に従って操作すれば難しくはありません。
大抵の場合以下のような手順です。
- ナンバープレートの情報を入力する
- 緑色のボタン「Valid」を押す
- 利用予定時間分の料金を投入(料金は大抵画面の横あたりに掲示してある)
- 緑色のボタン「Valid」を押す
- チケットが発券されるので、車内の外から見えやすい位置に置く
この他にもナンバープレートの情報を入力しないで、料金を払って発券するだけのシンプルなものもあります。
多くの場合チケットには駐車場を出なければならない時間が印刷されているので、時間に遅れないように戻りましょう。
アプリEasyParkが使えるところが多い
EasyParkというアプリを使うと、スマートに駐車料金を支払うことができます。
使い方は簡単で、同アプリをスマホにダウンロードして電話番号・ナンバープレート・支払い方法を登録するだけ。
頻繁に運転する方は利用を検討してもいいかもしれません。
BAR・Tabacchiなどでスクラッチ制のチケットを買う場合も
支払い機でなく、近くのBAR(バール)やTabacchi(タバッキ)などでスクラッチ制のチケット(Gratta e sòsta)を購入しなければならないところもあります。
具体的にどういう所がこのシステムをとっているとは特定できないのですが、青線の駐車場に停めて近くに支払い機が見当たらなかったらこの場合が多いです。
我々のこれまでの経験からいうと、田舎に行った時にこのパターンが2,3回ありました。
3年間で2,3回なので頻度としてはかなり低いですが、そういう所もあると頭の片隅に入れておくといざという時焦らずにすみます。
Gratta e sòstaの使い方は購入したチケットを、利用日をスクラッチした上で車の見えやすい位置に設置するだけです。
ANNO:年
MESE:月
GIORNO:日
各スクラッチ部分を、利用する日付にあわせて削ります。
イタリア路上駐車場を利用するために知っておきたいこと
イタリアの路上駐車場を利用するために知っておきたい事柄をご紹介します。
コインを常に持ち歩こう
駐車料金の支払機では基本的にコインの支払いになります。
お札は使えないので、コインをある程度キープしておきましょう。
最近はカードやアプリで払えるところも多いです。
駐車開始時刻/時間制限は覚えておこう
時間制限のあるところでは何時に駐車開始して、何時までに車に戻らなければならないかをしっかり覚えておかなくてはなりません。
料金を支払った際も、何時間分の料金を払ったかをしっかり記憶しておきましょう。
「そんなこと当然だろう」と思われるでしょうが、うっかり忘れてしまうことはあるものです。
車のナンバーを入力する場合もある
料金を支払う際に、ナンバープレートの番号を入力しなければならない機械があります。
ご自身のナンバーをしっかり覚えている方ならいいですが、うろ覚えという方はスマホのメモに登録したり、写メを撮って保存しておくと確実です。
貴重品は絶対に車内に残さない
貴重品・車上荒らしに狙われやすそうなものは絶対に車内に残さないようにしましょう。
大きな荷物で持ち出すのは無理という場合は、せめてトランクにしまうなどして外から見えないように隠すとマシかもしれません。
これは路上駐車だけでなく、ショッピングモールなどの駐車場に停めるときにも注意したい点です。
混雑時は縦列駐車に自信がないと厳しいことも
路上駐車場は多くの場合縦列駐車することになります。
そして、路上駐車のお陰か縦列駐車慣れしたイタリア人は、かなり前後の車との距離をつめて駐車することがあるのです。
時々車に戻ると、後から来た車が車間距離10cmくらいしかあけずに停めていることがあり、「うちはどうやって車を出せばいいの?」となってしまいます。
特に混んでいる駐車場だと、ギリギリのスペースに無理やり停める人も多いので注意してください。
縦列駐車に自信がない方は、混雑が予想される時・場所では普通の駐車場を利用する方が無難かもしれません。